阿川弘之全集  新潮社

阿川弘之全集 第一巻 小説 I 春の城 ほか

戦後六十年、いまこそ読み継がれるべき阿川弘之の文業を集大成。敗戦直後、郷里広島へ 帰った著者の出世作「年年歳歳」、戦時下の苦悩する青春群像を描く「春の城」など、初期の小説十三篇を収録。


阿川弘之全集 第二巻 小説 II 雲の墓標 ほか

雲の彼方へ散った特攻隊員を悼む「雲の墓標」、広島の惨禍に迫った「魔の遺産」、独自 の視点で戦後を問う「夜の波音」、単行本未収録の「花吹雪」など、昭和三十年前後の小説十一篇を収録。


阿川弘之全集 第三巻 小説 III カリフォルニヤ ほか

米国留学から帰国後住んだ二宮をモデルにした「坂の多い町」「詐欺の多い町」、滞米時 の体験を生かした「カリフォルニヤ」、それに「クレヨンの絵」「汁粉屋善兵衛」など昭和三十年代の小説十一篇。


阿川弘之全集 第四巻 小説IV 舷燈 ほか

亡き戦友への鎮魂の思いを胸に一見平穏な生活を送る男の物語「舷燈」、郷里の級友たち と再会して時の流れを想う「青葉の翳り」、「花のねむり」「古いトランク」「水の上の会話」など小説十七篇。


阿川弘之全集 第五巻 小説 V 暗い波濤(上)

すでに敗色濃い太平洋戦争末期。訓練を終えた五百五十余名の海軍予備学生たちは、過酷 な運命の待つそれぞれの戦場へと散ってゆく。膨大な証言をもとに深い鎮魂の思いを込めて描いた一大叙事詩。


阿川弘之全集 第六巻 小説 VI 暗い波濤(下)

昭和二十年。見込みなき戦いはなお続く。北は千島、南はブーゲンビル、西はビルマに至 る戦場で、涙ぐましい苦闘の末、若い命を散らしてゆく海軍予備学生たち。著者が心血を注いで綴った鎮魂歌。


阿川弘之全集 第七巻 小説 VII 軍艦長門の生涯(上)

世界最大、最速、最強の戦艦と称され、威容を誇った「長門」。帝国海軍の栄光と矛盾を 一身に背負って激動の時代、大正、昭和を生き抜いた一隻の軍艦の生涯を通して日本人の運命と哀歓を映し出す。


阿川弘之全集 第八巻 小説 VIII 軍艦長門の生涯(下)

回避の願いも空しく、聯合艦隊旗艦長門から日米開戦の指令はついに発信される。四年 後、壊滅した艦隊のうちでただ一隻生き残った長門を待っていた運命とは。丹念な考証が明かす未曾有のドラマ。


阿川弘之全集 第九巻 小説 IX 末の末つ子

多忙な熟年の小説家は諸事多難。すでに二男一女があるというのに、四十代半ばの妻は懐 妊の兆し。恩師は危篤。新米の女性秘書はそそっかしい。賑やかな家族の騒動をユーモア溢れる筆致で描く長篇。


阿川弘之全集 第十巻 小説 ] テムズの水 亡き母や ほか

旧友との再会に心なぐさむ「花馬湾」、老いたボートのクルーが四十年ぶりに英国を再訪 する「テムズの水」、両親の軌跡をたどる長篇「亡き母や」、「桃の雨」など十三篇。巻末に初期習作を収録。


阿川弘之全集 第十一巻 評 伝I 山本五十六

開戦に反対しながらも、ついに抗しきれず、聯合艦隊司令長官として、みずから対米戦争 の火蓋を切って世界を震撼させた天才提督。その栄光と悲惨の生涯を、丹念な取材をもとに描ききった傑作評伝。


阿川弘之全集 第十二巻 評 伝II 米内光政

名誉ある敗戦を求めて、帝国海軍七十余年の歴史を自らの手で葬り去り、一億玉砕から日 本を救うため、最後の海軍大臣はいかに苦闘したか。危機の時代の指導者たる条件を現在に問う名作評伝。


阿川弘之全集 第十三巻 評 伝III 井上成美

帝国海軍きっての知性といわれ、終始一貫して三国同盟と対米戦争に反対した「意志の 人」。兵学校校長として全人教育を目指し、また終戦工作に身命を賭した最後の海軍大将。その悲劇の生涯。


阿川弘之全集 第十四巻 評 伝IV 志賀直哉 上

著者が少年時代から耽読し、師と仰ぐ稀世の作家、志賀直哉。その生涯を詳細にわたって 調べ尽くし、全体像を明らかにした傑作評伝。上巻は誕生から昭和十年頃まで。平成六年度毎日出版文化賞受賞。


阿川弘之全集 第十五巻 評 伝V 志賀直哉 下

稀世の作家、志賀直哉。その生涯を、「末弟子」として、誕生から死に至るまで克明に調 べ尽くし、「文字で書いた肖像画」。下巻は「『暗夜行路』重箱帖」から、「終焉の記」「葬送の記」まで。


阿川弘之全集 第十六巻  エッセイT 私のソロモン紀行 ほか

山本五十六長官の最期の地への旅「私のソロモン紀行」、太平洋戦史の奇蹟といわれる作 戦の全貌を明かす「私記キスカ撤退」、「僕は特急の機関士」「ホノルルまで」など、初期のエッセイ五十三編。


阿川弘之全集 第十七巻  エッセイII 南蛮阿房列車 ほか

世界の鉄道を訪ねる「南蛮阿房列車」、論語に事寄せた奇人変人図鑑「論語知らずの論語 読み」、軍艦長門終焉の地への旅「ビキニ紀行」、自作を解説する「作品後記」など傑作エッセイ三十余篇。


阿川弘之全集 第十八巻  エッセイIII あくび指南書 ほか

落語の外題を借りて諧謔味をきかせたユーモア随筆「あくび指南書」、豪華客船での日々 を綴った「鯨の処女航海」、茂吉の足跡をたどる「新ドナウ源流行」、旅先での奇妙な出来事「イスタンブールの熊」、瀧井孝作、梅原龍三郎、阿部昭らへの追 悼文など全88篇。


阿川弘之全集 第十九巻  エッセイIV 葭の髄から ほか

国宝的資料の発見から刊行までの経緯を明かす「『高松宮日記』編纂記」、「奥能登紀 行」「ヤルタへの船旅」などの紀行文、現在も連載が続く「文藝春秋」の巻頭随筆をまとめた「葭の髄から」、福田恆存、直井潔、吉行淳之介、遠藤周作への追 悼文など全54篇。


阿川弘之全集 第二十巻  エッセイV 年譜・著作目録 ほか

食べ物に語らせた滋味深い自叙伝「食味風々録」、文藝春秋連載「葭の髄から」をまとめ た二冊目「人やさき 犬やさき」に、最新発表分「エレガントな象」、それに「贋贋作を書かざるの記」など単行本未収録の作品を含む22篇。巻末に年譜、著作目録などを収録。



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