埴谷雄高全集 全 19巻 講談社

21世紀へ託す〈精神のリレー〉の大きなバトンとなる埴谷雄高全集。著者の全営為を収録し、編年体で編まれた全19巻の決定版全集は「死霊」から刊行を開 始する
●特色
1.作品配列は編年体を用いた。変貌する時代に対して、埴谷雄高はどのように態度を決め、どのような姿勢を貫いたのか、読みとることができる。
2.『死霊』は全1巻にして、未発表の未定稿を解題に収めた。
3.全作品はもちろん、小学生の時の短歌から他人の本の帯に寄せた推薦文等にいたるまで収録した。
4.一段組で、文字を大きく、読みやすくした。
5.斬新美麗な装幀と星霜に耐える豪華堅牢な造本にした。
6.60人近い人達がいろいろな角度から埴谷雄高の人間と文学を浮き彫りにする8ページの月報をつけた。



埴 谷雄高全集〈1〉アフォリズム集
「不合理ゆえに吾信ず」、小説「洞窟」「意識」「虚空」、他に「ラムボオ素描」「平和投票」「歴史のかたちについて」等収録。


埴 谷雄高全集〈2〉偉大なる憤怒の書
『偉大なる憤怒の書』、幻の書『ダニューブ』(訳書)と『フランドル画家論抄』、単行本未収録の『間奏語抄』(抄訳)など4篇を収録


埴 谷雄高全集〈3〉死霊
死霊 全一巻。


埴 谷雄高全集〈4〉永久革命者の悲哀
「闇のなかの自己革命」「ドストエフスキイの位置」「古い映画手帖」「標的者」「深淵」「戦争の時代」「指導者の死滅」「敵と味方」等113篇。昭和31 年5月から昭和34年5月にかけて発表された作品を収録。


埴 谷雄高全集〈5〉闇のなかの思想
埴谷雄高の小説・評論・エッセイ・翻訳等の全著述作品と、対談・座談・談話等を収録した全集の第5巻。本巻には、「憎悪の哲学」「夢について」「雑録風な 附記」「不可能性の作家」「自由とは何か」「宇宙のなかの人間」「悲劇の肖像画」等127篇を収録。


埴 谷雄高全集〈第6巻〉影絵の世界
第6巻(1962年〜64年)影絵の世界
「現実密着と架空凝視の婚姻」「サドについて」「宇宙の墓場」「夜の思想」「ポオについて」「闇のなかの黒い馬」等112篇。


埴 谷雄高全集〈第7巻〉ドストエフスキイ
「革命の変質」「証人エレンブルグ」「暗黒の夢」「廃墟の頃」「変幻」「自閉の季節」「自然と存在」「神の白い顔」「宇宙の鏡」等122篇。


埴 谷雄高全集〈第8巻〉姿なき司祭
1969~72年発表の「身分制の壁」「革命の変質について」「ルクレツィア・ボルジア」「暴力考」「廃墟からの出発」「見えすぎる洞察者」等92篇。


埴 谷雄高全集〈9〉影絵の時代
昭和四十七年八月から昭和五十三年五月にかけて発表された作品を収録した。表題作の他、「米の味」「戦後文学の党派性」「裁かれる「革命」」「想像力につ いて」「表現者とは何か」「或る時代の背景」「最後の二週間」など102篇。


埴 谷雄高全集〈第10巻〉薄明のなかの思想
1978年~86年を対象に、「文学の世界」「大岡昇平」「回想の平野謙」「革命性の先駆者」「政治と文学と」「ラインの白い霧とアクロポリスの円柱」等 128篇を収録。


埴 谷雄高全集 (11) 「死霊」断章
「批評の惨酷性と真実性」「思い違い」「中野重治との同時代」「雨颱風と浜名湖会」「武田百合子さんのこと」等176篇。


埴 谷雄高全集〈12〉討論・ドストエフスキイ全作品
「文学と現実」「コメデイ・リテレール」「戦後文学の理念」「小説の表現について」「ドストエフスキイを語る」等19篇。


埴 谷雄高全集〈13〉文学創造の秘密
「戦後派と現文壇」「現代文学の保守と革新」「私の文学を語る」「性は有罪か」「文学者の政治参加」「夢と想像力」等26篇、1961年~70年までの対 談・座談。


埴 谷雄高全集〈第14巻〉わが文学、わが昭和史
対談座談 わが文学、わが昭和史
「革命と死と文学」「椎名麟三人と文学」「現代文学の前線」「自由と存在」「意識革命宇宙」「〈少年〉と〈悪魔〉」等18篇。


埴 谷雄高全集〈第15巻〉思索的渇望の世界
対談座談 思索的渇望の世界
「文学の世界と学問の世界」「原点としての「南」」「戦争下の転向と抵抗」「推理小説の魅力」「戦後文学は時限爆弾である」等22篇。


埴 谷雄高全集〈16〉対談・座談『二つの同時代史』
対談座談二つの同時代史
表題の大岡昇平とのロング対談。他に「「虚体」と世界語」「さびしい文学者の時代」「闇のなかの夢想」を収録。


埴 谷雄高全集〈第17巻〉隠された無限
対談座談 隠された無限
「もっと暗黒を!」「証言・昭和という時代」「大岡昇平・人と文学」「難解人間VS躁鬱人間」「老青対談」「格闘する文学」等14篇。


埴 谷雄高全集〈第18巻〉『生老病死』
対談座談 生老病死
「生命・宇宙・人類」「老年の革命と創造」「文学と人間の未来」「21世紀の人類思想」「魂の渇望」「埴谷雄高 語る」等15篇。


埴 谷雄高全集〈第19巻〉補遺・書簡・付録
未発表作品や単行本未収録作品などを収めた「補遺」、獄中から母に宛てた手紙や友人への手紙などを集めた「書簡」、パンフレットや本の帯の推薦文を入れた 「付録」で構成。


埴 谷雄高全集〈別巻〉資料集・復刻 死霊
年譜、作品目録、対談・座談一覧、著書目録、埴谷作品の翻訳、資料、参考文献、索引と、「近代文学」に連載した「死霊」の復刻を収録。カラー口絵16頁、 月報12頁を併載。



埴谷 雄高(は にや ゆたか、男性、1909年12月19日 - 1997年2月19日)は、小説家、評論家。本名は、般若 豊(はんにゃ ゆたか)。代表作は、存在の秘密や大宇宙について語った思弁的な大長篇小説『死靈』。世界文学史上未曾有の形而上小説であるが未完に終わった。アナキズム に強いシンパシーを抱き続けた元マルクス主義者で、検挙後に転向した。カント、ドストエフスキーなどから甚大な影響を受けた。

出典: フ リー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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