司馬遼太郎が考えたこと 全15巻 新潮社


司馬遼太郎(1923-1996)大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞 受賞。以後、歴史小説を一新する話題作を続々と発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞したのを始め、数々の賞を受賞。1993 (平成5)年には文化勲章を受章。“司馬史観”とよばれる自在で明晰な歴史の見方が絶大な信頼をあつめるなか、1971年開始の『街道をゆく』などの連載 半ばにして急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

司馬遼太郎が考えたこと 1 エッセイ 1953.10〜1961.10
歴史と文明、つまりは人間について、天性の明るい知力を以って考えぬいた司馬遼太郎。思考は多種多様の大作に結晶したが、合いま合いまに肉声がきこえる短 文を数多のこした。その一一〇七篇(うち初収録六五三篇)を年代順に収録――第1巻は「それでも、死はやってくる」ほか87篇収録。

司馬遼太郎が考えたこと 2 エッセイ 1961.10〜1964.10
「亡霊の抽象画」「歴史を変えた黄金の城」「狸と泥棒」「怪我をするな」「奇妙な青春」「土方歳三の家」「若い者は悪いか」「私の愛妻記」「毛利の秘密儀 式」「戦車と文明」ほか106篇(うち単行本未収録・75篇)。

司馬遼太郎が考えたこと 3 エッセイ 1964.10〜1968.8
「新大阪駅での思案」「魔術師」「幕末を生きた新しい女」「平和は難かしい」「年少茫然の頃」「小説と歴史について」「明治の若者の気分」「ある明治の庶 民」「同学・兜子」など計122篇(うち単行本未収録84篇)。

司馬遼太郎が考えたこと 4 エッセイ 1968.9〜1970.2
「小さな希望」「防衛のこと」「女とは何であるか」「アメリカの剣客」「土佐の高知で」「千葉の灸」「食肉考」「普仏戦争」「悪童たちと凡夫」「村の心 中」「歴史を動かすもの」ほか62篇(うち単行本未収録33篇)。

司馬遼太郎が考えたこと 5 エッセイ 1970.2〜1972.4
「日本人の顔」「ぜにと米と」「私度僧になりたい」「どこの馬の骨」「天災と戦争のイメージ」「日本的権力について」「討幕の密勅」「競争の原理の作動」 「ゴヤを待ちつつ」ほか54篇(うち単行本未収録37篇)。

司馬遼太郎が考えたこと 6 エッセイ 1972.4〜1973.2
「既成の歴史を変形させる炸薬」「竜馬雑話」「戦車の壁の中で」「人間が神になる話」「日露戦争の世界史的意義」「長州人の山の神」「ゴッホの天才性」 「馬齢と犬齢と猿」ほか30篇(うち単行本未収録16篇)。

司馬遼太郎が考えたこと 7 エッセイ 1973.2〜1974.9
「竜馬像の変遷」「赤尾谷で思ったこと」「豊後の尼御前」「ベトナム――断片的に」「庭燎(にわび)の思い出」「密教世界の誘惑」「倭寇と老熟」「芝居の 魔力」「若い訪問客」「山姥の家」ほか48篇(うち単行本未収録30篇)

司馬遼太郎が考えたこと 8 エッセイ 1974.10〜1976.9
「薩摩坊津まで」「書いたころの気持」「観心寺如意輪観音」「善通寺のクスノキ」「ある会津人のこと」「戦国の根来衆」「焦げたにおい」「友人の旅の話」 「霍去病(かくきょへい)の墓」「村重という変なひと」「一つの錬金機構の潰え」「日本の統治機構について」「文章日本語の成立と子規」「歴史の充満する 境域」ほか50篇(うち単行本未収録34篇)。

司馬遼太郎が考えたこと 9 エッセイ 1976.9〜1979.4
「ヨゼフ忠三郎たち」「竹ノ内街道こそ」「微光のなかの宇宙」「南方古俗と西郷の乱」「ふしぎな世界を構築した天才」「呉服と蘇州の刺繍」「須田剋太氏の 芸術と人間」「新疆ウイグル自治区を訪ねて」「数千年の重み」「一台の荷車には一個だけ荷物を」「木曜島のサノ」「国しのびの大和路」「運命を分けた東京 遷都」ほか61篇(うち単行本未収録54篇)。

司馬遼太郎が考えたこと 10 エッセイ 1979.4〜1981.6
「わらしべを落とさせないように」「私の関東地図」「集団の旅の型」「古朝鮮の成立」「イリ十日記(とおかき)」「人間の中のシルクロード」「高野山管 見」「複合された古代世界の舞台」ほか48篇(うち単行本未収録40篇)。

司馬遼太郎が考えたこと 11 エッセイ 1981.7〜1983.5
「出離といえるような」「昭和五年からの手紙」「隠れた仏たち」「沸騰する社会と諸思想」「天体を創る少年」「わが『韓非子』」「六三郎の婚礼」「武四郎 と馬小屋」「鋳三郎と楊枝」「左衛門尉の手紙日記」「キーンさんの学問と芸術」「密教の誕生と密教美術」「旅の効用」「濃厚な人間」「文明論への重要な資 料」他40篇(うち単行本未収録40篇)。

司馬遼太郎が考えたこと 12 エッセイ 1983.6〜1985.1
「声明と木遣と演歌」「私的断片史」「ホジェン族と熊野炭」「文章語の成立について」「捨てられかけた日本語」「昭和三十年代の意味」「子規と蘆花あるい は漱石」「裸眼で」「奈良法蓮時代・仄聞」「祖父・父・学校」「源と平の成立と影響」「信平さん記」「訴えるべき相手がないまま」「道元と須田さん」「大 垣ゆき」ほか50篇(うち単行本未収録28篇)。

司馬遼太郎が考えたこと 13 エッセイ 1985.1〜1987.5
「バスクへの盡きぬ回想」「日韓断想」「井伏さんのこと」「書生の兄貴」「並みはずれた愛」「裾野の水」「土と石と木の詩」「昔をいまに」「樹木と人」 「浄土――日本的思想の鍵」「大阪の原形」ほか42篇(うち単行本未収録30篇)。

司馬遼太郎が考えたこと 14 エッセイ 1987.5〜1990.10
「なによりも国語」「蓮如と三河」「空に徹しぬいた偉大さ」「二十一世紀を生きる君たちへ」「華厳をめぐる話」「すばらしい時間を」「山片蟠桃のこと」 「若いころの池波さん」ほか63篇(うち単行本未収録38篇)。

司馬遼太郎が考えたこと 15 エッセイ 1990.10〜1996.2
「あとは羊で」「なぜ小説を書くか」「官兵衛と英賀城」「日本仏教小論」「渡辺さんのお嬢さん」「三度目の台湾」「享保の若者」「日本人の二十世紀」「風 の話」「人間の魅力」ほか96篇(うち単行本未収録70篇)。

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