小林秀雄全集  新潮社

小林秀雄全集 第一巻

昭和4年、27歳の文壇デビュー評論「様々なる意匠」、全集初収録の処女小説「蛸の自 殺」、さらに小説「一ツの脳髄」「女とポンキン」、評論「ランボオ」I ・II、「ランボオ詩集」の翻訳等、著者20〜28歳の42篇。


小林秀雄全集 第二巻

著者自身の痛切な青春を記して今なお瑞々しい「Xへの手紙」、そして「眠られぬ夜」 「おふえりや遺文」の小説作品 3篇。さらには自らの“東京生れ”と重ねて近代日本文学の精神基盤の危うさを思う「故郷を失つた文学」、井伏鱒二、谷崎潤一郎等の作家論に、「文章につい て」など、これまで全集未収録の11篇を加えた昭和6年〜同8年の60篇。


小林秀雄全集 第三巻

昭和9〜10年、32〜33歳、近代批評の開拓者、小林秀雄の戦いは、まさにこの時期 火蓋が切られた。日本の小説の特殊な運命に向かい、誰も引かなかった引金を初めて引いた「私小説論」ほか60篇。


小林秀雄全集 第四巻

トルストイの家出をめぐり、正宗白鳥との間に大論争を展開した「作家の顔」「思想と実 生活」「文学者の思想と実生 活」……。そしてアラン著「精神と情熱とに関する八十一章」の全訳、「純粋小説について」「文芸時評のヂレンマ」「文学の伝統性と近代性」等、全集初収録 約20篇を含む、昭和11年(1936)、34歳時の58篇。


小林秀雄全集 第五巻

果していったい批評家と呼ばれる職業人は、何を為し遂げようとしているのか。何を為す べきなのか。この問いを問い続けた「文芸批評の行方」の他、「中原中也」「志賀直哉論」等、昭和12〜13年の93篇。


小林秀雄全集 第六巻

賭博、借金、漁色……その途轍もない乱脈を克明に追い、“言葉による肖像画”を鮮烈に 仕上げた「ドストエフスキイの生活」、サント・ブウヴ著「我が毒」の翻訳、「読書について」等、昭和14年の38篇。


小林秀雄全集 第七巻

「歴史と文学」「無常といふ事」等、昭和15年から20年の63篇。日中戦争から太平 洋戦争へと、未曾有の戦雲が広がっていった激動期、著者は、日本の一国民として、どう対処していったかの全記録。


小林秀雄全集 第八巻

音楽の達人が、音楽に食い殺されていく――。その凄絶な劇をダイナミックに捉えた「モ オツァルト」、渇望久しい痛 快座談の復刻「コメディ・リテレール」、さらに坂口安吾との対談「伝統と反逆」、湯川秀樹との対談「人間の進歩について」、「骨董」「光悦と宗達」「現代 文学の診断」など、昭和21〜23年、44〜46歳の21篇。


小林秀雄全集 第九巻

明恵上人、宮本武蔵らの言行に照らしつつ思索を深める「私の人生観」、折口信夫、三好 達治、青山二郎他との対談・座談6篇。さらに「中原中也の思ひ出」「雪舟」「年齢」等、昭和24〜25年の45篇。


小林秀雄全集 第十巻

近代絵画の巨星ゴッホ、その“病魔と二人三脚”というのっぴきならない“個性”を、弟 に宛てた厖大な手紙を辿って読み解く「ゴッホの手紙」のほか、「真贋」「ヴァイオリニスト」等、昭和26〜28年の33篇。図版39点。


小林秀雄全集 第十一巻

モネ、セザンヌ、ゴッホ、ルノアール……。彼ら近代一流画家たちが演じた意味深長の人 間劇をつぶさに観る「近代絵画」のほか、「栗の樹」等、昭和29〜33年の54篇。原色図版67点収録。


小林秀雄全集 第十二巻

没後初、待望の新全集! 第十二巻では昭和34年から同38年にかけて発表された67 篇。ベストセラー・エッセイ「考へるヒント」27篇に、ソヴィエト紀行「ネヴァ河」等。


小林秀雄全集 第十三巻

世界的数学者岡潔と叡智を傾けあった白熱対話「人間の建設」、ベルグソンと柳田国男の 神髄を語る「信ずることと知ること」、デカルトと孔子をつぶさに読み込む「常識について」等、昭和39〜51年の71篇。


小林秀雄全集 第十四巻

昭和40年、63歳の夏から雑誌連載11年余、全面推敲さらに1年、合せて実に12年 を超える歳月をかけて、本居 宣長と向きあい、そしてこの大学者とともに人生いかに生きるべきかを問い続けた畢生の大業「本居宣長」。その著者75歳の年のベストセラーを軸に、「本居 宣長補記」T・U、「ルオーの事」等、昭和52〜57年、最晩年の24篇。


小林秀雄全集 別巻I

昭和38年6月、雑誌連載第56回をもって、突如中断、以後再開に至らず単行本化も行 われなかったベルグソン論 「感想」。しかも晩年、著者自身が単行本化、全集類への収録、ともに禁じたこの論考を、今回あえて別巻として特別収録、著者の遺志の了知を読者に請う。さ らに最晩年の雑誌連載の加筆未定稿「正宗白鳥の作について」。


小林秀雄全集 別巻II

小林秀雄――その、人、生涯、そして作品を語る諸家の随想・追想23篇。これに年譜、 作品解題、著書目録、標題索引を併せて収め、人生を説き来たり、人生を説き去った、八十年の足跡を一望する。



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