アーシュラ・K・ル=グウィン

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アーシュラ・K・ル=グウィン
アーシュラ・クローバー・ル=グウィン(Ursula Kroeber Le Guin、1929年10月21日 - )は、アメリカの小説家でSF作家、ファンタジー作家、フェミニスト。

父親は文化人類学者のアルフレッド・L・クローバー。母親は作家のシオドーラ・クラコー・ブラウン。彼女は夫が研究で係わったアメリカ最後の生粋のイン ディアン「イシ」の伝記を執筆した。シオドーラ・クローバーの名で刊行された『イシ―北米最後の野生インディアン』(1970年、岩波書店)と『イシ―二 つの世界に生きたインディアンの物語』(1977年、岩波書店)がそれである。

子供時代は、父親がカリフォルニア大学バークリー校で教えていた関係でバークリーで育つ。大学は、ラドクリフ大学に進学、コロンビア大学で修士号を取得し ている。1953年に歴史学の教授チャールズ・A・ル=グウィンと結婚。1991年、カリフォルニア大学バークリー校の人類学科で名誉教授を称える連続講 演で父について講演する。1958年以来現在に至るまでオレゴン州ポートランドに在住している。

両性具有の異星人の政治を描いた『闇の左手』でヒューゴー賞、ネビュラ賞を、1970年に同時受賞。代表作にユートピアを描いた『所有せざる人々』の他に 村上春樹の訳による『空とび猫』といった絵本作品もある。

ファンタジー作家としての代表作は、『ゲド戦記』(全6巻)。この作品は、スタジオジブリによって2006年夏にアニメ映画化された。

SF界の女王と呼ばれ、「西の善き魔女」とあだ名されている。少女漫画界の重鎮萩尾望都の作品に影響をみる者もいる。また、『西の善き魔女』の荻原規子に おいては、『西の善き魔女』の5巻のサブタイトルが「闇の左手」である。

彼女の影響を受けた、もしくはファンである日本人作家は多く、宮崎駿は『出発点』の中で、枕元に『ゲド戦記』を置いてすぐに読めるようにしている、と語っ ている(宮崎駿はかつて『ゲド戦記』の映像化を考えていたことがある、と認めている)。

スタジオジブリ(宮 崎吾朗監督・脚本)のアニメ映画『ゲド戦記』の公開後、日本などから問い合わせのメールが多く寄せられたため、この映画が制作されるに至った経緯と映画に 対するコメントを彼女自身の公式ホームページで公開した。(日本語訳




[作品リスト]

辺境の惑星
ロカノンの世界
闇の左手
幻影の都市
所有せざる人々
風の十二方位(初期作品を主に収録した短編集)
天のろくろ
世界の合言葉は森
オルシニア国物語
ゲド戦記



[外部リンク]

ル=グウィンのホームページ (英語)





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