新潮社 白洲正子全集 全15 巻

白洲正子全集 第一巻

古 典や骨董、自然について語りながら、日本の文化の本質と美しさをやさしく解き明かしてくれた、随筆家・白洲正子。その全仕事を発表年代順に収め、魅力のす べてが見える初の本格的全集。第一巻には、昭和十八年の処女出版『お能』、久しく読めなかった『たしなみについて』、同時代の単行本未収録の小品・エッセ イなどを収める。


白洲正子全集 第二巻

お能への真情を綴った入門書の名作「お 能の見方」、そのあだ名の面目躍如の痛快エッセイ集「韋駄天夫人」、珍しい一種の実用書「きもの美――選ぶ眼・着る心」など、バラエティに富んだ、直截で 若々しい著作の数々。


白洲正子全集 第三巻

全 国の能面をたずね歩いた結実の書、小林秀雄にも絶賛された読売文学賞受賞の「能面」、能の創始者の文章を易しく解き明かしつつ、能の本質に迫ると同時に現 代の能への鋭い批評にもなっている「世阿弥」、のちに「かくれ里」や「近江山河抄」で開花する紀行文集、その最初の作品という意味で重要な「西国巡礼」な ど、活発な創作活動の跡。


白洲正子全集 第四巻

一人の稀有な人物の一生を、渾身の気迫と限りない憧憬とで綴った代表作の一つ「明恵上 人」、在原業平や小野小町などの人物像を鮮やかに蘇らせた「古典の細道」など、力強く歩み始めた六〇年代後半の諸作。


白洲正子全集 第五巻

山里を気ままに訪ね歩き、各地にひっそりと在る“日本のこころ”を丁寧に掘り起こした 紀行文学の傑作、読売文学賞を受賞した「かくれ里」、創り手の本質に迫る「ものを創る」など、快調な執筆の時期。


白洲正子全集 第六巻

平家物語の世界、その様々な登場人物の生のきらめきと哀しみを華麗な筆さばきで現出さ せた「旅宿の花」、近江を舞台に、壮大な古代の物語を訪ねる「近江山河抄」など、気迫を感じさせる諸作。


白洲正子全集 第七巻

二十代の頃初めて出会った美しい観音像への感動を静かに胸に秘めつつ、和歌山から長野 まで、各地の仏を訪ねた「十一面観音巡礼」と、三十一文字から華やかな宮廷文化を現出させた「私の百人一首」。


白洲正子全集 第八巻

様々な能の謡曲を平易な読み物として仕立て直した「魂の呼び声――能物語」、“旅”に 一生こだわり続けた著者の道行文の白眉「道」、日々の生活を語った軽やかなエッセイ集「鶴川日記」などの諸作。


白洲正子全集 第九巻

四季折々の野の花を自ら活け、小文を添えた「花」、木工、刺青から精進料理まで、様々 な職人の手業を追ったルポルタージュ「日本のたくみ」、自由に歴史に遊ぶ紀行文「私の古寺巡礼」など、軽快な執筆。


白洲正子全集 第十巻

ゆかりの人や物を愛情深く描いた「縁あって」、たんぽぽ、つくしなど野の草への思いを 工芸品にたくした日本人の心を詠む「草づくし」、新古今集に挑んだ「花にもの思う春」など、円熟を増す時期。


白洲正子全集 第十一巻

檜から桜まで、なんと二十種もの日本の木を取り上げ、その「木」そのもの、それから創 られた工芸品、さらにはその 職人まで、それぞれの魅力について自在に語った「木――なまえ・かたち・たくみ」、これまでの白洲の紀行文と人物論が渾然一体となった集大成ともいえる、 後記の代表作の一つ「西行」など、堂々たる作品群。


白洲正子全集 第十二巻

遠ざかっていた能の世界に正子を引き戻した能楽師・友枝喜久夫、その芸の真髄を見据え た「老木の花」、夫・次郎を はじめとする、多くは逝ってしまった知人たちを語って真情あふるる「遊鬼」、師・青山の実像に正面から取り組み、彼と小林秀雄との友情を活写した渾身の書 「いまなぜ青山二郎なのか」など、凄みを増す眼差し。


白洲正子全集 第十三巻

軽妙な毒舌で自在に世間を語って面目躍如の「夕顔」、自然や人が見せるさりげない一瞬 に人生のきらめきをとらえる「名人は危うきに遊ぶ」。老年に至って軽やかに飛翔する、晩年のエッセイ集の代表作。


白洲正子全集 第十四巻

「元来私は過去を振り返ることが嫌いなのである……」自らをあからさまに語ることをよ しとしなかった著者が、初め て幼い頃からの人生を綴った「白洲正子自伝」。生来のテーマであった、“両性具有”というやまと文化の一つの美学に真正面から挑んだ「両性具有の美」な ど、最晩年の圧倒的迫力。年譜、著作一覧、題名索引を付す。


白洲正子全集 別巻

稀代の名文家は、また座談の名手でもあった。円地文子と源氏物語から現代作家や歌舞伎 の役者について語った「古典 夜話」、加藤唐九郎に「永仁の壺」事件の真相について迫る「やきもの談義」。他にも河合隼雄、多田富雄、養老孟司、ライアル・ワトソン、赤瀬川原平、仲畑 貴志らを相手に丁丁発止、話題は無限に広がる対談集を収録。




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